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中小企業等経営強化法

平成28年7月1日より、「中小企業等経営強化法」が施行されました。

 

内容は、政府が、生産性向上に役立つ取り組みを分かりやすく中小企業・小規模事業者に提供し、生産性を向上させる取り組みを計画した中小企業・小規模事業者等を積極に支援する制度です。

 

目的は、①生産性向上の必要性、②業種横断的な経営課題への対応、③業種別の経営課題への対応、④中堅企業の重要性が挙げられています。

 

中小企業等経営強化法 申請の流れは・・・

 

  • 事業所管大臣が、事業分野ごとの生産性向上の方法などを示した指針を策定
  • 中小企業・小規模事業や中堅企業は、自社の生産性を向上させるための人材育成や財務管理、設備投資などの取り組みを記載した「経営力向上計画」を各大臣に申請

認定された事業者は、支援措置を受けられる

 

中小企業等経営強化法 支援対象は・・・

中小企業者が経営力向上計画に基づき取得する新規の機械装置(新品)

・中小企業者とは、資本金の額(出資金の額)が1億円以下の法人

※ただし、1つの大法人に株の2分の1以上所有、2つ以上の大法人に株の3分の2以上所有されていないこと

・生産性を高める機械装置が対象

生産性向上設備投資減税の支援要件3つのうち、2つを満たした機械装置が対象

要件

① 160万円以上

② 生産性1%向上(10年以内に販売開始)

※生産性向上設備投資減税の要件③は最新モデル

・購入でなく、リース(ファイナンスリース取引)についても対象

 

 

中小企業等経営強化法 支援措置は・・・

 

Ⅰ.経営力向上計画が認められた事業者は、法律の施行日から平成31年3月31日までに、生産性を高めるための機械装置を取得した場合、その翌年度から3年間、固定資産税を1/2に軽減

 平成28年に取得した設備は、平成29年1月1日時点に所有する資産として申告され、平成29、30、31年度の3年間固定資産税が軽減されます。

ただし、年末までに認定が受けられない場合は、減税の期間が2年間となります。

また、固定資産税以外の特例措置、生産性向上設備促進税制や中小企業投資促進税制との関係では重複適用は可能です。

 

 

【生産性向上設備促進税制A類型との対比】

 

中小企業等経営強化法に

基づく固定資産税の軽減措置

生産性向上設備投資促進税制

(A要件)

軽減措置の内容 固定資産税 法人税額の控除・特別償却
対象事業者 中小企業者等※ 青色申告をしている法人・個人

(対象業種や企業規模に制限はない)

対象設備 機械及び装置のみ 機械及び装置・器具及び備品・工具・建物附属設備・建物・ソフトウエア
設備の要件 生産性1%向上 生産性1%向上

最新モデル

その他満たすべき要件 生産等設備を構成するものであること

最低取得価額要件を満たしていること(160万円以上)

国内への投資であること

中古資産・貸付資産でないこと等

※中小企業者等には、会社及び個人事業主に加えて、企業組合や協同組合、事業協同組合、事業協同小組合、商工組合、協同組合連合会その他政令で定める組合が含まれます。

 

 

Ⅱ. 計画に基づく事業に必要な資金繰りを支援

 

政策金融機関の低利融資、民間金融機関の融資に対する信用保証、債務保証等により円滑な資金調達を支援

 

①商工中金による低利融資

②中小企業信用保険法の特例

③中小企業投資育成株式会社法の特例

④日本政策金融公庫によるスタンドバイ・クレジット

⑤中小企業基盤整備機構による債務保証

⑥食品流通構造改善機構による債務保証

 

と、金融支援の内容がありますが、会社や事業規模によっては該当しないものもあります。

 

 

この、固定資産税での設備投資減税は史上初であり、赤字企業にも大きな減税効果が期待されています。

国や地方公共団体から補助金をうけた場合も対象ですし、圧縮記帳は、固定資産税の課税標準に影響しないため、圧縮記帳前の取得価額で160万円以上であれば対象となるようです。

要件等が生産性向上設備促進税制とほとんど変わりませんし、申請書は実質2枚とのことですので、中小企業等経営強化法施行日以降、生産性向上設備促進税制(平成29年3月末廃止)・中小企業等投資促進税制を申請される方は、一緒にされた方が減税につながると思います。

 

 

 

担当:N

 

受取配当金等の益金不算入制度の改正

受取配当金等の益金不算入制度の改正

平成26年12月30日、自民党・公明党による「平成27年度税制改正大綱」が公表されました。今回は、平成27年度税制改正の一つ「受取配当金等の益金不算入」の改正内容を解説したいと思います。

◇受取配当金等の益金不算入の趣旨 

そもそも受取配当等の益金不算入制度は法人税の二重課税を排除するための制度です。

二重課税とは?

例えばA社の税引前当期純利益が100であると仮定します。法人税等を40とするとA社の税引後当期純利益は60(=100-40)となります。

通常、A社が行う配当は、この60を原資として行われます。つまり、配当というのは企業が法人税を支払った後に残った利益を株主に分配する行為であることになります。

次に、このA社の親会社であるB社で考えてみましょう。B社がA社から60の配当を受け取った場合、その60はB社において受取利配当金として営業外収益に計上されるため、B社においてもこの60について課税されてしまうこととなります。

A社が稼いだ100についても法人税が課税され、その残った60についても今度はB社で法人税が課税されてしまいます。これが、いわゆる二重課税と呼ばれるものです。

 

受取配当金の益金不算入制度とは?

この二重課税排除するために設けられているのが受取配当金の益金不算入とうい制度です。

B社が受け取ったA社からの配当60については、既にA社において課税済みであるため、B社においては課税しないようにしようというのがこの制度の考え方です。

A社からの配当金はB社においては受取配当金という形で営業外収益に計上されてしまいますが、法人税の課税所得の計算の過程でこの60を控除することによって二重課税を排除するのが、この制度です。

株主が個人の場合は?

ここではA社の株主が個人(Cさん)だった場合、個人が配当を受け取った場合には、配当所得として所得税が課税されることとなります。

つまり、今度は法人税×法人税の二重課税ではなく、法人税×所得税の二重課税が行われることとなります。この二重課税を配当控除という規定があります。この規定も計算方法こそ異なりますが、受取配当金の益金不算入制度と同じ考え方が設けられています。

 

受取配当金の益金不算入の改正

上記でご説明いたしまたように、今回見直しとなる「受取配当金の益金不算入制度」とは、法人が内国法人から配当などを受けた場合に、その受取配当等の額の全部又は一部を、課税所得の計算上、益金(課税所得の対象となる収入)に算入しないこととされている制度です。

①制度見直しの背景

企業の株式保有は、支配関係を目的とする場合と、資産運用を目的とする場合があり、それぞれの保有目的により配当収益に対する課税の意味合いが変わってきます。特に、株式の保有割合が低く、投資としての意味合いが強い場合には、他の資産運用手段との間で選択が歪められないよう、課税を強化する観点から見直しが進められました。

益金不算入となる株式等の範囲

改 正 前
株式等の区分 持株割合 益金不算入割合 目的
完全子法人株式等 100% 100% 支配
関係法人株式等 25%以上 100%

(負債利子控除後)

支配
上記以外の株式等 25%未満 50%

(負債利子控除後)

運用
改 正 後
株式等の区分 持株割合 益金不算入割合 目的
完全子法人株式等 100% 100% 支配
関連法人株式等 保有割合

1/3超

100%

(負債利子控除後)

支配
その他の株式等 保有割合

5%超~1/3以下

50% 運用
非支配目的株式等 保有割合

5%以下

20% 運用

 

まず、株式等の区分の変更ですが、改正前は株式等の持株割合に応じて3つに区分されていましたが、改正後はこの株式等の区分が4つに区分されることとなりました。

そして、改正後の株式等の範囲では、支配目的と運用目的を明確に区分し、支配目的を示す保有割合が、これまでの「25%」から「1/3超」へと変更になりました。また、新たに資産運用目的を示す株式等の範囲が創設され、保有割合が5%以下の株式は、「非支配目的株式等」に分類されることとなりました。

益金不算入割合

現行制度では、株式の保有割合が25%以上の場合には100%、25%未満の場合でも50%の益金不算入が認められていましたが、改正後は、支配目的として認められる1/3超の場合に100%、5%超~1/3以下の場合には50%、保有割合が5%以下の場合には、20%までしか益金不算入が認められなくなり、配当金に対する課税強化の流れがより一層強まることになりました。

証券投資信託の益金不算入割合

  益金不算入割合
区分 現行 改正後
公社債投資信託 100% 全額益金算入
公社債投資信託以外の証券投資信託 25% 全額益金算入
特定株式投資信託 50% 20%

 

現行では、証券投資信託についても一定の場合に、益金不算入が認められていましたが、改正後は上記の通りに変更されます。

(※特定株式投資信託とは、日経300など一定の要件を満たす上場銘柄で構成される投資信託のこと)

◇株式等に係る負債利子の控除

これまで、受取配当の益金不算入制度では、配当等の元本である株式等を取得する際に生じた負債利子の額を控除して計算されてきました。

しかし、今度の改正により「その他の株式等」と「非支配目的株式等」に分類された場合には、負債利子がある場合の控除計算の対象から除外されることとなりました。

(※「負債利子」とは、その株式等の元本の取得に要した借入金の負債利子のうち、その元本の所有期間に対応する部分の利子のこと。〔要は、株を取得するために借入した場合の、その借入の利息のこと〕)

◇保険会社に係る配当金

青色申告所を提出する保険会社が受ける非支配目的株式等に係る配当等の額については、その40%相当額(原則20%相当額)を益金不算入とする特例が創設されました。

◇改正の適用期間

この改正は、平成27年4月1日以後に開始する事業年度ついて適用されます。

 

担当:R

無対価適格合併における『一の者』について

親族により複数の会社を経営されている場合、欠損金等を多く抱えている会社を適格合併等により他の黒字会社に引き継ぎたいとお考えの方も多いと思います。

親族の数名により合併会社と被合併会社の株式を100%保有している場合を例にすると、適格合併は可能(適格合併の要件は下記【Ⅰ】参照のこと)ですが、株式を交付する場合親族間のみなし贈与課税の可能性が生じます。

そこで株式を交付しない、無対価適格合併が可能であるかが問題となります。(無対価の要件については下記【Ⅱ】参照のこと)

それでは、親族の数名により合併会社と被合併会社の株式100%を保有している場合、無対価の要件を満たすでしょうか?

 

答えは…  満たしません。

 

ポイントは、適格合併の要件と無対価の要件での、完全支配関係における『一の者』の解釈の違いです。

 

適格合併の要件における完全支配関係(【Ⅰ】※参照)では、『一の者』に親族等が含まれます。これに対し、無対価の要件(【Ⅱ】参照)における完全支配関係の『一の者』には、【Ⅰ】※のような括弧書きはなく、親族等を含まないものと解されます。

このように親族の数名によって合併会社と被合併会社の株式100%を保有している場合には、無対価適格合併の要件は満たしませんので、同族会社間の事業再編をお考えの方は株主の構成には十分にご注意ください。

【Ⅰ】 適格合併の要件

100%グループ内の適格合併の要件として以下のものが挙げられます。

① 被合併法人の株主に合併法人の株式以外の株式以外の資産が交付されないこと

② 以下のいずれかの要件を満たすこと

イ) 被合併会社が合併会社の100%子会社であること

ロ) 同一の者を完全支配者(同一の者による完全支配関係については、※参照 のこと)とする会社同士の合併で、その支配関係が継続することが見込まれていること

※ 同一の者による完全支配関係について

上記②ロ)の完全支配関係とは、一の者(その者が個人である場合には、その者及びこれと特殊の関係のある個人)が法人の発行済株式等の全部を直接若しくは間接に保有する関係(以下「当事者間の完全支配関係」といいます。)又は一の者との間に当事者間の完全支配関係がある法人相互の関係(以下「法人相互の完全支配関係」といいます。)をいうこととされています。(法2十二の七の六、法令4の2②)

なお、一の者が個人である場合における当該一の者と特殊の関係のある個人とは、次に掲げる者(以下「親族等」といいます。)をいうこととされています。

(法令4①、4の2②)

ⅰ 一の者の親族

ⅱ 一の者と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者

ⅲ 一の者(個人である一の者に限ります。ⅳにおいて同じです。)の使用人

ⅳ ⅰからⅲまでに掲げる者以外の者で一の者から受ける金銭その他の資産によって生計を維持しているもの

ⅴ ⅱからⅳまでに掲げる者と生計を一にするこれらの者の親族

 

【Ⅱ】 無対価の要件

無対価の要件としては適格合併の要件に加えて次のものが挙げられます。

合併前の同一の者による完全支配関係が次に掲げるいずれかの関係がある完全支配関係である場合に限り、適格合併に該当することとされています。(法令4の3②二)

ⅰ) 合併法人が被合併法人の発行済株式等の全部を保有する関係

ⅱ) 一の者が被合併法人及び合併法人の発行済株式等の全部を保有する関係

ⅲ) 合併法人及びその合併法人の発行済株式等の全部を保有する者が被合併法人の発行済株式等の全部を保有する関係

ⅳ) 被合併法人及びその被合併法人の発行済株式等の全部を保有する者が合併法人の発行済株式等の全部を保有する関係

 

 

(担当:O)

 

 

相続税の改正

相続税の改正

あけましておめでとうございます。

平成27年となりました。 平成27年1月1日より改正された相続税がいよいよ適用となります。

基礎控除や税率の改正されているため、割と影響する範囲も広いのではないのでしょうか。 相続や事業承継のプランニングも見直す必要があると思われます。

 

相続税の改正による影響

まずは 全体的なところで、どのような影響があるのかご説明したいと思います。

まずは、基礎控除の引き下げられました。

ご存知のように、相続の対象となる財産からこの基礎控除を引くことができ、この基礎控除の範囲内でしたら、相続税はかからないのですが、これを6割程度に引き下げました。

親1人 子2人 で 親がなくなられた場合、 従来ですと 5000万円に子一人に1000万円ずつ、合計で 7000万円までは相続税がかからなかったのですが、

平成27年1月1日以降は 3000万円 に 子一人600万円 合計で 4200万円を超える場合、相続税がかかってくることになったのです。

4200万円も財産なんてないよ、とおっしゃる方もいるかもしれませんが、死亡保険金の受け取りや、自宅の土地建物、それに、ワンルームマンションなどお持ちでしたら、おそらく超えてくると思われます。

また、最高税率も引き上げられました。6億を超えると 50%が 55%となっています。

全体的にも税率が引き上げられています。

この図をご覧ください。

相続税

これは親一人 子二人のときに親が亡くなられた場合、相続財産全体に対する相続税の率を試算したものです。

ポイントは、まず、全体的に 4% 程度 実効税率が上昇しています。

たとえば 一億円の場合、350万円だったものが 新税率では770万円に増えるのですから、倍以上に増加します。

 

また、これまで相続税がかからなかった 7000万円程度以下の方も 4000万円程度から相続税がかかることになります。

 贈与税の改正

 

贈与税も 4500万円を超える贈与については 贈与税率が上昇することになります。

しかし、4500万円以下については税率が下げられています。

贈与税

私の試算ですが、大体 1000万円贈与すると 231万円が177万円 へ

1500万円の贈与だと 470万円 が 366万円 に低下することとなります。

 

おそらく 税務署というか国としては、相続まで財産を持ち続けるのではなく、早いうちに若い世代へ 財産を移していくことを狙っているのではないのでしょうか。

これまでをまとめますと、 まず、相続税は負担増となっています。

基礎控除が減少するため、とくに相続財産がそれほど大きくない方の増税感が非常に強くなるのではないのでしょうか。

また、全体的にも 4%程度は 相続財産に対する相続税の率が上昇しています。

一方 贈与税は 減税となっているといえます。

高額の贈与は税率が上昇していますが、500万円程度から、改正による税率の低下メリットがあります。

このように 相続税は 高くなるのに対して、 贈与税は 安くなるのですから、計画的な贈与が重要ということがご理解いただけると思います。

年末調整について

年末調整について

 

師走となりますと、何かと慌ただしい年の瀬でございます。

そんな慌ただしい中、給与所得者に対する年末調整を行う時期が本年もやってまいりました。

そもそも年末調整とは

そもそも年末調整とは、給与の支払者が、給与の支払を受ける人(所得者)の各人ごとに、その年中に支給されることが確定した給与の総額について納めるべき所得税(復興特別所得税を含む)を算出し、これと毎月の給料や賞与などから徴収している所得税の合計額とを比べて、その過不足額を清算する事務作業のことです。

この年末調整によって大部分の給与所得者はその年の所得税の納税が完結し確定申告の必要がなくなります。

その意味からも年末調整の事務は、給与の支払者にとっても、また給与の支払を受ける給与所得者にとっても極めて重要な事務といえます。

 

昨年との変更点 平成26年10月17日改正

 

年末調整の基本的な仕組みは、昨年と変わりありませんが、平成26年10月17日の所得税法施工令の改正により、通勤のため自動車等の交通用具を使用している給与所得者に支給する通勤手当の非課税限度額が次表のように引き上げられました。

 

改正後の通勤手当非課税限度額

① 交通機関又は有料道路を利用している人に
支給する通勤手当
1ヶ月当たりの合理的な運賃等の額
(最高限度額 100,000円)
同 左
② 自動車等の交通用具を使用している人に支給する通勤手当 通勤距離が片道55キロメートル以上
である場合
31,600円 24,500円
通勤距離が片道45キロメートル以上
55キロメートル未満である場合
28,000円
通勤距離が片道35キロメートル以上
45キロメートル未満である場合
24,400円 20,900円
通勤距離が片道25キロメートル以上
35キロメートル未満である場合
18,700円 16,100円
通勤距離が片道15キロメートル以上
25キロメートル未満である場合
12,900円 11,300円
通勤距離が片道10キロメートル以上
15キロメートル未満である場合
7,100円 6,500円
通勤距離が片道2キロメートル以上
10キロメートル未満である場合
4,200円 4,100円
通勤距離が片道2キロメートル未満
である場合
全額課税 同左
③ 交通機関を利用している人に支給する
通勤用定期乗車券
1ヶ月当たりの合理的な運賃等の額
(最高限度額 100,000円)
同左
④ 交通機関又は有料道路を利用する他、
交通用具も使用している人に支給する
通勤手当や通勤用定期乗車券
1ヶ月当たりの合理的な運賃等の額と
②の金額との合計額
(最高限度額 100,000円)
同左

 

 改正の適用

 

 この改正は平成26年10月20日に施工され、平成26年4月1日以後に支払われる通勤手当について適用されますので、非課税限度額を超過したとして課税された通勤手当のうち改正により非課税とされる額がある場合には、年末調整によって清算する必要があります。

 

改正後の非課税規定の適用

改正後の非課税限度額は平成26年4月1日以後に支払われるべき通勤手当について適用されますので、次の通勤手当については適用されませんので注意してください。

① 平成26年3月31日以前に支払われた通勤手当

② 平成26年3月31日以前に支払われるべき通勤手当で平成26年4月1日以後に支払われたもの(例えば2月や3月に支払うべき通勤手当を4月に支払った分など)

③ ①、②の通勤手当の差額として追加支給されるもの

 

 

課税済の通勤手当について精算の具体的なやり方

 

1.すでに改正前の非課税規定を適用したところで課税された通勤手当のうち、改正後の非課税規定によって新たに非課税となった部分の金額を計算します。

2.「平成26年分給与所得・退職所得に対する源泉徴収簿」の年末調整欄の余白に「非課税となる通勤手当」と表示して1.の計算した今回の改正により新たに非課税となった部分の金額を記入します。

3.また、源泉徴収簿の「年末調整」欄の「給料・手当等」欄には、「給料・手当等」欄の「総支給金額」の欄の金額から2.の新たに非課税となった部分の金額を差し引いた後の金額を記入します。

4.以上により、改正後に新たに非課税となった部分の金額が、本年の給与総額から一括して差し引かれて、差引後の給与の総額を基に年末調整を行います。

 

上記のように本年の年末調整は多少ややこしくなっておりますので、年末調整の事務をされる方は十分にご注意ください。

担当 Y.E.

減価償却費 入門

 減価償却について

急に寒くなり、気候的には秋の気配を通り越して早くも冬がやってきたような感じです。

またこの時期になると、年末調整に始まり、確定申告に向けていろいろと準備を始める時期になります。

そうなってくると、いろいろ気になることもでてくるのではないでしょか?

そのなかで、減価償却について書いてみたいと思います。

減価償却費ってどういうこと?

ざっくり言ってしまうと、大きな買い物をしたので一度に経費にしたいけど、長く使えるので使える期間で経費を分割しましょう、いうものです。

大きな設備投資をする以上、回収にはかなりの時間がかかるのではないでしょうか。そう言う点でも、分割して経費にすることは重要かもしれません。

新しい建物や車両を購入する際、大きな金額が必要になります。

ですが、この建物や車両が中古だった場合は、必要な金額が新しい建物や車両を購入するよりは、少なくなると思います。

この金額の差額が、時の経過や使用したことによる価値の減少となります。

 減価償却費の額の把握

では、時の経過や使用したことによる価値の減少といっても、毎回毎回同じ資産の市場価値をはかるのは、とても大変でしょうし、(業種や状況によっては必要なこともあると思います。)

必要だから大きな金額をかけて購入したわけですから、当然のことながら、使用します。

時の経過や使用することで価値が減少する部分を計算し、経費処理します。

<新しい建物や車両> - <中古の建物や車両>

= 減価償却  →減価償却資産

 

因みに、書画骨董等の類は、時の経過により価値が上がる場合もあるので、減価償却資産には該当しません。

 

 <1> 減価償却の計算方法

Ⅰ.使用期間1年未満、購入金額10万円未満は全額、購入時の年度の経費

Ⅱ.10万円以上20万円未満は、3分の1ずつ3年間で経費処理・・・H10改正

(但し、途中で売却や廃棄しても必ず3年間で経費処理する)

 

改正内容と減価償却費の計算式

【H10改正】

・H10年4月1日以後取得の、建物の償却方法が定額法のみ

・中途で事業の用に供した減価償却資産の初年度2分の1簡便償却が廃止

・少額の減価償却資産の取得価額標準が20万円未満から10万円未満に引き下げ

・建物の耐用年数が短縮

 

  • 旧定額法・・・経費(償却費)の金額が毎年同じ(原則)

購入金額 × 90% × 旧定額法の償却率 = 減価償却費

 

 

  • 旧定率法・・・経費(償却費)の金額が初めの年ほど多く、年々減少

購入金額 × 旧定率法の償却率 = 減価償却費

 

 

【現行:H19改正(1円まで償却)およびH23改正(250%定率→200%定率)】

  • 定額法・・・経費(償却費)の金額が毎年同じ(原則)

購入金額  ×  定額法の償却率  =  減価償却費

※定額法の償却率は、法定耐用年数表で確認します。

 

  • 定率法・・・経費(償却費)の金額が初めの年ほど多く、年々減少

未償却残高  ×  定率法の償却率  =  減価償却費

(初年度は、購入金額)

※定額法の償却率は、法定耐用年数表で確認します。

償却保証額に満たなくなった場合は、改定取得価額×改定償却率で計算

 

 

【現行: H19改正】30万円未満の資産(少額減価償却資産)の一括償却

(H18.4.1~H28.3.31)・・・改正で2年延長

・中小企業者等

・青色事業者

・合計金額300万円に達するまで

 

対象資産は取得価額が30万円未満である減価償却資産について適用なので、有形無形問いませんし、新品中古も問いません。

 

春先の、パソコンのWindows XPの切り替えはこの条件に該当する場合が結構あるのではないでしょうか。

 

 

 <2> 中小企業者等とは

資本金の額(出資金の額)が1億円以下の法人。

ただし、

1つの大法人に株の2分の1以上所有、2つ以上の大法人に3分の2以上保有されていないこと

 

<3> 今後の傾向

 

簡単に計算方法をまとめてみましたが、改正ごとに少しずつ減価償却費が少なくなっているような気がします。H10年度の改正は、最初の就職氷河期なんて言われる時期ですし、H19年度の改正では証券会社の破綻等があった時期ではないでしょうか。景気の低迷とともに、経費を減らしていき課税所得を増やしていく、そんな感じでしょうか。

 

少し前まで、アベノミクス効果なんて言われていましたが、消費税増税に伴い、景気がまた滞り始めたので、来年あたりまた減価償却改正に手が入るとのことです。

 

 内容は、定率法の廃止。

 

税制調査会では IFRS(国際会計基準)の導入や事業のグローバル化にと伴うグルーブ内会計の統一化などを背景に、減価償却の方法を定率法から定額法に見直す動きが見られる。また、課税ベースの拡大の一環として減価償却制度の見直しを行うことが国際的な動きとなっており・・・

と、改革の方向性の中に記述があります。

 

減価償却に限らず、税金の類は負担増にありますので、今後の税法改正に目を向けてみてはいかがでしょうか。

担当 N

 

 

交際費

こんにちは

 

みなさん記帳する際、この仕訳の勘定科目は何だろう?と迷われることはありませんか?

 

私がよく迷うのは、「交際接待費」です。

 

そもそも「交際接待費」とはどのような勘定科目なのでしょうか?

 

国税庁のHPを見ますと、「交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為(以下「接待等」といいます。)のために支出する費用をいいます。」とあります。

 

得意先に接待や贈り物をしたら、「接待交際費」なんだなあと思ってしまいますが、それでは問題があるようです。

 

得意先のA社が、天災のため工場が生産活動できない状態なったので、災害見舞金を贈りました。これは、単純に考えますと、得意先に贈り物をしたということになり、「接待交際費」かなあと思ってしまいますが、国税庁のHPでは「接待交際費」にはあたらないとのことです。

 

社員全員と海外に1週間、旅行に行きました。社員全員と旅行に行ったのなら「福利厚生費」と思ってしまいますが、海外での滞在日数が5泊6日以上の場合、「接待交際費」や「給与」となってしまいます。

 

隣接科目も多く、税務調査などの場面でトラブルになりがちな「接待交際費」なので、適正な処理に行おうと考える日々です。

 

担当TS

農業生産法人設立

農業生産法人を設立するメリット

 

特定法人貸付事業

  • 都道府県の基本方針及び市区町村の基本構想への位置づけが必要となる。
  • 都道府県:「農業経営基盤の強化の促進に関する基本方針」に「特定法人貸付事業の実施に関する基本的な事項」の定め
  • 市町村:「農業経営基盤の強化に関する基本的な構想」に「事業実施区域」「事業実施主体」の定め、さらに都道府県知事の同意が必要
  • また地域が実施地域に限られる

農業生産法人

  •  実施地域に限定されない
  •  税務上の恩典あり

 

ただし、農業生産法人の設立には 下記の4要件が課されています。

① 組織形態要件

② 事業要件

③ 構成員(出資者)要件

④ 業務執行役員要件

 

① 組織形態要件

農事組合法人 または 株式会社(譲渡制限あり) 合資会社、合名会社、合同会社 に限られます。

一般的には 農事組合法人、株式会社による設立が多いといわれています。

農事組合においては、  一人一票  3人以上の出資者 が必要となります。

株式会社においては、 一株一票 となる点が特徴として挙げられます。

 

② 事業要件

事業は 農業および農業関連事業でなければなりません。

具体的には直近3か年の事業年度における農業・農業関連事業の売り上げが事業全体の売上高の過半を占めていれば、主たる事業が農業であるといえることになります。

③ 構成員(出資者)要件

1.農地提供者

2.常時従事者

3.農地保有合理化法人(県公社、市町村公社)

4.地方公共団体、農協、農協連合会

5.農業法人投資育成法人(アグリビジネス投資育成㈱)

6.継続的取引関係者など関連事業者等

6の関係者については、 取引関係が3年以上ある業者を言い、議決権の10分の1、かつ総議決権の4分の1という条件があります。

認定農業者の特例があり、この要件が緩和されます。

④ 業務執行役員要件

業務執行役員の過半数は、法人の農業(農業関連産業を含む)の常時従事者である必要があります。

法人設立のメリット

  • 資金調達のしやすさ
  • 制度融資の融資限度枠が拡大される(農業近代化資金など)
  • 農業法人投資育成制度による資金確保(アグリビジネス投資育成)
  • 財務管理の充実と経理の公開により、金融機関からの評価が向上
  • 社会保険等の恩恵
  • 政府管掌健康保険に加入可能
  • 厚生年金に加入可能
  • 雇用保険・労災保険に加入
  • 退職金共済制度に加入
  • 法人契約の保険

などが一般的に考えられます。

担当 TH